母の手

ふとみる私の手は母の手に
年々そっくりになってきている。


母に認められたくて
ずっとずっと頑張っていた私は
ずっとずっと母を嫌っていた。


認めてほしいって言いながら
嫌いって矛盾している。

 


沖縄に引っ越し
母と距離を置くようになって
じっくり考える時間を持ち
母が嫌いなんじゃなくて
母の機嫌をとり、嫌なのに母の言う通りに動く
そんな自分が嫌いだった事に気づいた。

 


いつも人や環境ののせいにいて自分は変わらなかった。
それを母のせいにしていただけである。

 

それを教えてくれる方がいて
教えてもらっても自分は飲み込めず
あれやこれややってみて、やっと分かってきた。

 

母に対して何も思う事はない今は
昔の記憶の中にある小さい頃大好きだった
小さくてシワの多い母の手と
年々シワが増えていく自分の手を見る度に
昔の思い出と重なってふんわりした気持ちになる。

 

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